従来の抗うつ薬 | 従来の抗うつ薬(TCA)のうちimipramine、amitriptyline、clomipramineなどの三級アミンは、セロトニン(5-HT)の再取り込み阻害作用が強いとされています。一方、これらの薬物の活性代謝物であるdesipramine、nortriptyline、desmethylclomipramineなどの二級アミンは、ノルアドレナリン(NA)の再取り込み阻害作用が強いとされています。そのため、多くの抗うつ薬を投与した場合、生体内においてはセロトニンとノルアドレナリンの両者の再取り込み阻害作用が起こることになります。 |
SSRI | SSRIは選択的で強力なセロトニンの再取り込み阻害作用があり、ノルアドレナリンの再取り込み阻害作用はほとんどありません。そのためか、入院治療が必要であるような重症のうつ病の方には、SSRIは従来の抗うつ薬に抗うつ効果の点で劣る場合があるといわれています。 |
SNRI | SNRIは、神経終末で、セロトニントランスポーターとノルアドレナリントランスポーターに選択的に結合し、セロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害します。 |
SNRIトレドミンの研究 | 脳内モノアミントランスポーターに対する親和性およびモノアミン再取り込み阻害能を、ラットの大脳皮質シナプトゾームを用いて調べたin vitro研究によると、SNRIのトレドミンは、セロトニントランスポーターおよびノルアドレナリントランスポーターに対し、結合阻害定数(Ki値)が各々8.5nM、31nMと高い親和性が認められ、ドパミン(DA)トランスポーターに対しては、104nM以上と親和性をほとんど示さなかった、とあります。また、セロトニンとノルアドレナリンの両者再取り込みを阻害し、50%阻害濃度値(IC)は各々、28.0nM、29.6nMであり、セロトニンとノルアドレナリン取り込み阻害能の比率(S/N比)は0.95と、ほぼ同程度の阻害能を有していた、とあります。DAに対しては、104nM以上と再取り込みを阻害せず、また、ラットやモルモットを用いたin vivo脳内微少透析法による研究においては、SNRIの投与により、セロトニンとノルアドレナリンの細胞外濃度が同程度に用量依存性に増加した、とされています。 |
結論 | これらの結果から、SNRIは、ほぼ同程度にセロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害することが示されました。臨床的には、大うつ病患考に対して、セロトニン再取り込み阻害作用が強いfluoxetineとノルアドレナリン再取り込み阻害作用が強いdesipramineを併用すると、単剤投与の場合に比較して抗うつ効果がより速く、かつ強力に発現すると報告されています。セロトニンとノルアドレナリン両者の再取り込み阻害作用を有するSNRIにも、同様の効果が期待されています。 |